Ruy | 写真集「TRAIL RUNNER RUY UEDA」
上田瑠偉と藤巻翔の最初の出会いは2013年の「山岳耐久レース」。
「足の速い大学生がいるぞ、陸上あがりらしい」、
狭い世界だ、瑠偉の噂はメディア関係者に知られていた。
翔は、フィニッシュで逆転されてボロ泣きの瑠偉を撮ることになる、
「5位が6位になっただけなのに、そんなに悔しいのか、この選手は」
それが最初の出会い、最初のカット。
たくさんのレースに出場し、たくさんの写真を撮り撮られてゆく。
いつしか藤巻は気がつく、瑠偉の足の速さは、陸上あがりだから、だけじゃないな、
そして北アルプスの玄関口、大町の出身であることに納得する。
「そうか、山男の遺伝子か、だからか」。
欧州の急峻な山で開催される「スカイランニング」に出場するようになって、
瑠偉は最初の山をトップで上がるくらいに力をつけてくる。
先回りして、山の上でカメラを構えていると、
海外のメディアが瑠偉の順位を教えてくれる、「ルイが1番で来ているよ」と。
翔は誇らしい。
この11年の軌跡をまとめようと言い出した瑠偉、応じた翔、
この上田瑠偉フォトブックにはふたりの、たくさんの山への思いが詰まっている。
・レターサイズ/A4変形(横約216mm×縦約279mm)
・96ページ
・デザイン/井口創、文/内坂庸夫